労災問題Q&A(4)後遺障害にはどのような補償がありますか?

Q.労災のケガに後遺障害が残ってしまいました。どのような補償が受けられるでしょうか。

A.後遺障害に対し、労災保険の給付があります。給付では足りない損害賠償は会社に請求できます。

〇「後遺障害」とは
 治療を継続しても負傷や疾病の症状の改善が見込めない状態になることを「症状固定」といいます。症状固定したときに残された後遺症が、障害等級に該当する程度であるとき、それを「後遺障害」と言います。

 後遺障害には、指が曲がらなくなったなどの身体部位の機能障害、脳神経に関する神経障害、身体部位が欠損したことによる欠損障害があります。

 労災の後遺障害は、身体の各部位によって14等級に分けられています。

 障害等級の詳細はこちらをご覧ください。
「労働者災害補償保険法施行規則 別表第一 障害等級表」(厚労省HPより)
https://www.mhlw.go.jp/bunya/roudoukijun/rousaihoken03/index.html

〇後遺障害の認定
 後遺障害の認定は労働基準監督署が、医師の診断に基づいて行います。症状固定の診断が出た時点で、労働基準監督署に医師の証明と共に障害認定の申請を行います。
 
「障害(補償)等給付の請求手続」(厚労省HP)
https://www.mhlw.go.jp/new-info/kobetu/roudou/gyousei/rousai/040325-8.html

〇後遺障害によって生じる損害
 後遺障害によって生じる損害には、逸失利益(労働する能力が喪失したことによって将来得られなくなる収入)と障害を負ったことの精神的苦痛に対する慰謝料(後遺障害慰謝料)があります。

〇労災保険と損害賠償請求。損害賠償額は数千万になることもよくあります。
 後遺障害が生じた場合、障害等級に応じて、労災保険から年金と一時金が給付されます。しかし、後遺障害が残る場合、損害額全体が数千万円になることも多く、労災保険で補填されるのは損害の一部にすぎません。不足分の損害額は、責任の割合に応じて使用者に支払う義務が生じます。

〇損害賠償請求はユニオンにご相談を
 会社は、安全を軽視した結果、ひどい労災事故を起こすなどの過失を犯していても、損害賠償を請求されると弁護士を雇い、請求を拒否する場合がほとんどです。
 一生を左右することになる損害賠償ですから、しっかり会社に賠償させるためには専門家の知識が必要です。
 また、労働組合である労災ユニオンは、団体行動権を行使して、社会的に会社の責任を問うことで会社に賠償を求めることも可能です。

 後遺障害でお困りの方は迷わず労災ユニオンにご相談ください。
 相談は無料、秘密は厳守します。

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