過重労働は、過重労働(=肉体的・心理的負荷の高い業務)は、脳疾患、心臓疾患、精神疾患の要因です。最も危険視されるのは、長時間労働で、ひと月当たりの時間外労働(1日8時間・週40時間以上の労働時間)が45時間を超えると健康に害が出始め、65時間を超えると疾病を発症し、80時間を超えると過労死する危険もあると厚生労働省が警告しています。また、過重なノルマや重責の業務、パワハラやセクハラなどのハラスメントは、強い心理的ストレスの要因とされています。

大切な人が過労で亡くなってしまったら・・・

過労死の疑いをもたれているならすぐにご相談ください

 大切な人が亡くなった時には、誰しも、気が動転して落ち着いて物事が考えられない状態に陥ってしまいます。大切な人の死の原因が過労であると思っても、本当にそうなのかもわからないし、会社とやり取りするのも精神的に耐えられない、という方も多いと思います。

 それでも過労死の可能性が少しでもあるのであれば、すぐにご相談ください。労災申請をしたり、損害賠償請求をしたりするためには、過労死であったことを立証する必要があります。亡くなってから日が浅い時期しかできないことがたくさんあるからです。

 また、私たちはお悩みの方と一緒に考えをまとめるお手伝いができます。お一人で考えるより、複数人で取り掛かった方が精神的負担が軽減されることは間違いありません。

過労死なら、会社には賠償責任があり、その一部が労災保険で補填されます

 雇用契約は、労働者の健康と安全を守る会社の義務(安全配慮義務)を前提とした契約です。ですから、業務上の過重労働が原因で健康を害したり、命を奪った場合、会社は安全配慮義務違反で損害賠償する責任が生じます。過労死の場合、損害のほとんどの部分を占めるのが故人が生きていたならば得られたであろう賃金になります。

 これらの損害の一部を補填するのが労災保険です。労災保険の内容については厚労省のパンフレットをご覧ください。

〇遺族(補償)等給付 葬祭料等(葬祭給付)の請求手続
https://www.mhlw.go.jp/new-info/kobetu/roudou/gyousei/rousai/040325-7.html

 労災保険給付で足りない損害賠償額は会社に直接求めることになります。

ご相談から損害賠償請求までの大まかな流れ

 ご相談(問題の法的整理、使える制度のご紹介、証拠集めなどについて打ち合わせます)
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 証拠集め(労働時間記録、関係者の聞き取り、メールというの記録の整理を一緒に進めます)
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 労災申請書作成(証拠に基づき事件の概要を整理し、国が労災認定を出しやすくします)
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 労働基準監督署へ労災申請
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 労災認定 (労災不認定の場合は、審査請求や行政訴訟を行います)
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 損害賠償請求裁判の提起

故人のパソコンや携帯などの証拠を会社に渡さない、携帯などを解約しない

 会社は損害賠償責任を回避するために、過労死の証拠の隠滅を図る場合があります。その最たるものが、故人の使っていたパソコンや携帯の返却を遺族に求めることです。これには決して応じてはいけません。

 パソコンや携帯には故人の労働時間や業務の内容などの情報が詳細に含まれており、過重労働の実態を証明するための極めて重要な証拠になる可能性が高いからです。

 また、故人の携帯やクラウドサービスなど通信機器の契約は解約しないでください。契約が続いていれば、過去の通信やデータをたどることができるからです。

出来るだけ早くご相談を

私たちはこれまでさまざまな労災事件に携わってきました。証拠集めや初期の対応についてもご相談に乗れます。まずはご相談ください。相談は無料で、相談の秘密は厳守いたします。

ユニオンのメリット(労災保険では足りない民事上の損害賠償も求められます)

上記のような制度を使うとしても、会社が妨害してくる場合が少なくありません。そんな時にはユニオン(労働組合)が強い味方になります。

会社には労働組合の団体交渉に誠実に応じる義務がありますので、ユニオンからの休業や労災申請の申し出を、会社は断ることができません。また、健康を害したり、ケガをしたりするような職場改善をユニオンから求めることができます。

さらに労災保険では不足している損害の賠償をユニオンで求めることも可能です。

たとえば、労災で休業した場合には、労災保険の他に平均賃金額の4割程度の損害を賠償する権利があります。