2023年5月の労災ニュース:新たな死傷者数、主な書類送検事案

5月期に認定された死者数56人、死傷者数1万1047人

 6月19日、厚労省が5月集計分の労働災害発生状況を公表し、5月9日~6月7日(以下「5月期」)までの1ヶ月で、2023年1月以降5月末までの労災事故について、新たに死者数56人、死傷者数1万1047人が明らかになりました。

 累計で2023年の労災死者数は現在244人となっており、前年の同時期の274人より10.9%減少しています。

 一方で死傷者数は4万2201人と、前年同時期の4万1808人より393人、0.9%増加しています。(今月から、新型コロナウイルス感染症のり患による労働災害を除いた件数となっています。)

5月期の主な書類送検事案

■20代のミャンマー国籍の労働者が、機械に挟まれ死亡

 5月10日、香川労働局・高松労働基準監督署が、機械器具メーカーと同社のグループリーダーを書類送検しました。20代のミャンマー国籍の労働者が、同社の工場において、木製ボードを切断するレーザー加工機を掃除していたところ、材料や加工後の製品をレーザー加工機との間で自動でやり取りするストッカーのリフト部部分と、材料を置くための台座部分に、上下から胸を挟まれて死亡しました。レーザー加工機の清掃を行うにもかかわらず、機械の運転を止めなかったとして、労働安全衛生法第20条、労働安全衛生規則第107条に違反した疑いによります。

 労働安全衛生規則第107条には、次のように定められています。

 事業者は、機械(刃部を除く。)の掃除、給油、検査、修理又は調整の作業を行う場合において、労働者に危険を及ぼすおそれのあるときは、機械の運転を停止しなければならない。ただし、機械の運転中に作業を行わなければならない場合において、危険な箇所に覆いを設ける等の措置を講じたときは、この限りでない。

2 事業者は、前項の規定により機械の運転を停止したときは、当該機械の起動装置に錠を掛け、当該機械の起動装置に表示板を取り付ける等同項の作業に従事する労働者以外の者が当該機械を運転することを防止するための措置を講じなければならない。

労働安全衛生規則第107条(掃除等の場合の運転停止等)

■80代の労働者が、ゴミ収集車の回転軸に巻き込まれ死亡

 5月19日、山梨労働局・鰍沢労働基準監督署が、ゴミ収集会社と同社の社長を書類送検しました。ゴミ回収作業をしていた際に、80代の労働者が収集車のゴミを圧縮する回転軸に巻き込まれて死亡しました。同社では、車両系荷役運搬機械等を用いた業務において策定し、守らなければならない作業計画について、2人以上でごみの収集を行う場合に回転板の操作を原則2人で行うとすると定めていたにもかかわらず、1人で作業させていたとして、労働安全衛生法第20条、労働安全衛生規則第151条の3第1項に違反した疑いによります。

 労働安全衛生規則第151条の3には、次のように定められています。

 事業者は、車両系荷役運搬機械等を用いて作業(不整地運搬車又は貨物自動車を用いて行う道路上の走行の作業を除く。以下第百五十一条の七までにおいて同じ。)を行うときは、あらかじめ、当該作業に係る場所の広さ及び地形、当該車両系荷役運搬機械等の種類及び能力、荷の種類及び形状等に適応する作業計画を定め、かつ、当該作業計画により作業を行わなければならない。

2 前項の作業計画は、当該車両系荷役運搬機械等の運行経路及び当該車両系荷役運搬機械等による作業の方法が示されているものでなければならない。

3 事業者は、第一項の作業計画を定めたときは、前項の規定により示される事項について関係労働者に周知させなければならない。

労働安全衛生規則第151条の3(作業計画)

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