2021年3月の労災ニュース:新たな死傷者数、主な書類送検事案

3月期に認定された死者数50人、死傷者数1万1559人

 4月16日、厚労省が4月集計分の労働災害発生状況を公表し、3月9日~4月5日(以下「3月期」)までの1ヶ月で、労災事故による死者数50人、死傷者数1万1559人が新たに明らかになりました。全て2021年の労災事件についてです。2021年の労災死者数は現在140人となっており、前年の同時期の145人より3.4%減少しています。一方で死傷者数は2万5185人と、前年同時期の1万9495人より29.2%増加しています。

3月期の主な書類送検事案

・機械の調整作業中、別の労働者が機械を動かしてしまい、作業中の労働者が挟まれる死亡事故

 3月19日、大阪労働局・岸和田労働基準監督署が、木材素材メーカーほか1名を労働安全衛生法違反で書類送検しました。機械の起動装置に「調整中のため運転禁止」と記載された表示板を取り付けるなどして、作業に従事する労働者以外の者が機械を運転することを防止する措置を講じなかった疑いです。
 製造した木質繊維板を積み重ねるスタッカーを労働者が調整作業中、運転を停止していた機械を別の労働者が起動させてしまい、機械に挟まれ死亡しました。

 労働安全衛生規則第107条(掃除等の場合の運転停止等)には、次のように定められています。

 事業者は、機械(刃部を除く。)の掃除、給油、検査、修理又は調整の作業を行う場合において、労働者に危険を及ぼすおそれのあるときは、機械の運転を停止しなければならない。
 ただし、機械の運転中に作業を行わなければならない場合において、危険な箇所に覆いを設ける等の措置を講じたときは、この限りでない。
2 事業者は、前項の規定により機械の運転を停止したときは、当該機械の起動装置に錠を掛け、当該機械の起動装置に表示板を取り付ける等同項の作業に従事する労働者以外の者が当該機械を運転することを防止するための措置を講じなければならない。 

・雪おろし作業中、屋根から墜落する死亡事故

 3月19日、岩手労働局・花巻労働基準監督署が、リゾート施設の運営会社と同社の部長を労働安全衛生法違反で書類送検しました。同社の運営しているスキー場の屋根上での作業において、囲いの設置や墜落制止用器具の使用などの労働安全衛生規則墜落防止措置を講じていなかった疑いです。
 雪おろし作業中、地上から高さ約6メートルの屋根上から労働者が墜落して死亡しました。

 労働安全衛生規則第 519 条 (開口部等の囲い等)には、次のように定められています。

1 事業者は、高さが2メートル以上の作業床の端、開口部等で墜落により労働者に危険を及ぼすおそれのある箇所には、囲い、手すり、覆い等(以下この条において「囲い等」という。)を設けなければならない。
2 事業者は、前項の規定により、囲い等を設けることが著しく困難なとき又は作業の必要上臨時に囲い等を取りはずすときは、防網を張り、労働者に要求性能墜落制止用器具を使用させる等墜落による労働者の危険を防止するための措置を講じなければならない。

・国内最大手パンメーカー・山崎製パンの工場で機械修復作業中に機械に挟まれる死亡事故

 3月25日、兵庫労働局・神戸西労働基準監督署が、国内シェア1位の製パンメーカーである山崎製パンと同社神戸工場の工務課の課長、製品管理課の班長を労働安全衛生法違反で書類送検しました。容器の洗浄ラインで機械の調整作業中、機械の運転を停止させず、労働安全衛生規則第107条(掃除等の場合の運転停止等)(上記参照)などに違反した疑いです。
 機械内で修復作業に当たった従業員が、容器と機械の内壁の間に頭や上半⾝を挟まれ死亡しました。

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