「人を蹴っても暴行じゃない!?」引き続き日立製作所は不誠実な回答を繰り返しています!

 

私たち労災ユニオンは、日立製作所の在職従業員であるAさんと一緒に、日立製作所・日立プラントサービスに対して団体交渉を継続しています。

 

https://rousai-u.jp/2018/11/07/hitachi-kaiken/

 

初回交渉では、回答を持って来ないなどの不誠実な対応がありましたが、第二回団体交渉でも、会社側は、パワハラ上司がAさんの座っている椅子をAさんごと蹴り飛ばしても社内規定の「暴行」には当たらない、労働時間の過少申告の指示に「強制性」は無かった、そして、パワハラの被害者は加害者がどのように処分されたのか知る権利は無いなどと不誠実な回答してきました。

このような回答は到底納得のいくものではありません。私たちは、会社側に対して強く抗議します。

 

◆団体交渉での不誠実な回答

1.椅子を蹴り飛ばしても「暴行」ではない。

会社の就業規則における懲戒規定では、「社内の個人に対し暴行脅迫を加えまたは拉致監禁したとき」は、懲戒解雇となっています。しかし、今回の件で、加害者の元上司は懲戒解雇になっておらず、現在も会社で働いています。

私は仕事中に突然座っている椅子に蹴りを入れられました。その蹴りによって私の身体は前に大きく突き飛ばされ、右のあばら骨を机の角に強打しました。想像してみてください。成人男性の座った椅子を大きく前に蹴り飛ばすには、どれくらいの力が必要でしょうか。どう考えても体重を乗せて全力で蹴る必要があるでしょう。この時の状況については、会社には報告もしていました。

刑法上も明らかな「暴行」にも関わらず、社内規定上の「暴行」には当たらない。これが日立の団体交渉での回答でした。

 

2.労働時間の偽装を怒鳴られながら指示されても「強制ではない」

私は建設現場に赴任して初めの1ヶ月で厚労省の過労死認定基準である80時間の2倍以上、「174時間」の時間外労働をしました。しかし、私が正直に時間外労働を申請したことを上司から大声で叱責され、労働時間について「考えて付けろ!」と言われました。

当然、私はこれが過少申告を指示する発言だと受け止めました。翌月から私は時間外労働を少なめに申告し始めました。しかし、上司から見て不十分だったのか、これ以降、常態的に怒鳴られる様になり、その結果、私が申告する労働時間は実際の労働時間からどんどん短くなっていきました。

しかし、会社側はこの一連の流れに対して「強制性は無かった」と主張しています。

労働時間の過少申告という法律に反することを示唆し、その通りにやらないなら大声で叱責する。日立グループ内では、これは「強制」には当たらず、私が自ら行ったことだと言うのです。

更に、これは懲戒規定の「社内の個人に対し暴行脅迫を加えまたは拉致監禁したとき」に書かれている「脅迫」とは認定しないというのが日立の回答です。そのため今回の上司の処分の対象事項に労働時間の過少申告の指示は入っていないとのことでした。

 

3.被害者には加害者の処分内容を知る権利は無い

私は、当時の上司から日常的に「バカ」、「物を知らない」、「辞めちまえ」などの暴言を浴びせられ、更には暴行を受け、最終的に重い精神疾患を患って休職をするまでに至りました。休職中には自殺未遂も起こしました。

しかし、会社側は、加害者の上司へどのような処分が下されたのか回答しないと明言しました。

その理由は、「これまであらゆる懲戒処分の内容を当事者含め開示したことは無いので、今回も開示しない」というものでした。

私には、ここまでのことをした加害者が社内で適正に処分されたのかを知る権利は無いのだそうです。私は、復職を目指し治療を行なっていますが、会社の内部統制が機能しているのかを知る機会がないまま復職しないといけないのです。そして、会社としては、懲戒内容を開示しない事で被害者へ何らかの心理的悪影響があるとは想定していないとも明言しました。

あまりに不誠実、いや悪意すら感じる対応に団体交渉は紛糾しました。しかし、会社側は質問に答えない、都合が悪いと長時間黙り込むなどの行為に終始しました。

自分達が口にする内容に疑問を持たず、異常な主張をし続ける会社の代表者を通じて、私は会社に対して薄気味悪いという感情を持ってしまいした。果たして、私が安心して復職できる日は来るのでしょうか?

 

日立は自ら策定した「日立人権方針」を守ってください!

日立製作所は、「日立人権方針」http://www.hitachi.co.jp/sustainability/policy/pdf/human_rights_policy.pdf)という規定を策定し、HPで公開しています。

内容は確かに素晴らしいものですが、それが労働現場で本当に守られているのでしょうか?また、今回私は「人権侵害」を受けた訳ですが、それに対して、会社は「日立人権方針」の通り対応してくれているのでしょうか?説明責任や検証結果の公開が書かれていますが現在の団体交渉での回答はそれと整合しているのでしょうか?

私は会社に対して、自らも定めた規定の通り、誠実に対応して欲しいです。以下は「日立人権方針」の抜粋です。

・日立グループは、社会が直面する課題にイノベーションで応え、優れた自主技術・製品の開発を 通じて社会に貢献する中で、人権が尊重される社会の実現を支援していきますその前提として、 日立は人権尊重の責任を果たす努力をして参ります

・私たちは「国際人権章典」および国際労働機関(ILO) の「労働の基本原則および権利に関する宣言」に記された人権を、最低限のものとして理解しています。人権尊重の責任は、日立製作所およびその連結子会社のすべての役員と従業員に適用します

・日立は、私たちが社会の一構成員であり、人権が尊重される環境づくりに貢献できると信じています。人権尊重の責任を果たすことは、企業として活動上不可欠であり、すべての企業に当然期待されるべきことと理解しています。

・日立は国連の「ビジネスと人権に関する指導原則」の実行を通じて、人権尊重の責任を果たすことを誓います。

潜在的および実際の人権への影響に対する日立の対応についての説明責任を果たすため、日立グループは検証結果を公開していくための手順を開発して参ります

日立が人権に対する負の影響を引き起こした、あるいはこれに関与したことが明らかになった場合、社内外のしかるべき手続きを通じて、その救済に取り組みます

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