「今日は話し合いではなく、話を聞きに来ただけ!?」日立製作所との団体交渉が紛糾しています!

(団体交渉に参加したユニオンメンバー達)

私たち労災ユニオンでは、日立製作所(http://www.hitachi.co.jp/)・日立プラントサービス(http://www.hitachi-hps.co.jp/)と、組合員のAさんの労災事件に関して団体交渉をスタートし、11月中旬に第一回の団体交渉がありました。

事件概要については、以下を参照ください。

https://rousai-u.jp/2018/11/07/hitachi-kaiken/

しかし、第一回の団体交渉の席上で会社は最初に、「今日は話し合いではなく、話を聞きに来ただけ」などと発言し、主張に対する回答を十分にしてくれませんでした。

もともと、10月の中旬には、団体交渉の申し入れを本社へし、私たちの主張を書いた要求書を手渡すとともに、その場で口頭でも要求の具体的説明をしたため、会社には約1ヶ月の準備期間がありました。

それにもかかわらず、会社は、それへの回答やその裏付けとなる資料の準備等もせず、回答権限があるとは思えない担当者が来て、質問に十分答えない、回答時間を引き延ばす等、不誠実な対応をしてきました。

労働組合法では、会社は、団体交渉においてユニオンへ誠実に対応しなければ、「不当労働行為」という違法行為になります。

私たちは、そのような会社の姿勢に抗議をし、多少の回答を引き出すことができましたので、ここで共有します。

会社には早期に誠実な対応に姿勢を改めるよう求めます。

 

◆Aさんの想い 〜自殺未遂から大企業に声を上げるまで〜

私は2015年6月から長時間労働と暴力や暴言といったパワハラに耐えながら勤務を続け、2016年2月に労務不能となり、同年3月に自殺未遂を起こすまでに至りました。

その後、会社に労災申請を妨害されながらも2018年1月になんとか労災認定を勝ち取ることができました。しかし、その後も初回の労災給付手続きの遅延という嫌がらせ等もあり、復職の見通しが立たないため、ユニオンに加入し団体交渉をすることとなりました。

しかし、なんと、前回の団体交渉では、日立側は回答を一切持ってこないという行動に出ました。

団体交渉の申し入れから1ヶ月という時間がありながらなんら回答を用意せず、更に「回答を用意してこなかったからといって、直ちに不誠実な対応とは言えない」と開き直る始末でした。

現在、日立製作所のCEOである中西宏明氏は経団連会長も務めています。

日本を代表する大企業が利益追求のために社員を使い捨てにし、社員の悲鳴を握りつぶす様は、まさにブラック企業が蔓延する日本社会の縮図と言えます。

今回の団体交渉は今後の日本社会における労働のあり方そのものに影響を及ぼす重大なものだと私は確信しており、納得のできる解決をするまでユニオンの仲間と戦っていきたいと思います。

 

◆Aさんの主張 〜長時間労働、労働時間の偽装、パワハラ等の事実をまずは認めてほしい〜

まず、私たちは、今回のAさんの労災事件に関して、責任や事実関係の確定を優先して行い、その上でその原因特定と今後の再発防止等の全社的な改善について、交渉していこうとしています。

初回の交渉では、責任関係、長時間労働、労働時間の過少申告(実労働時間の偽装)、パワーハラスメント、労災手続きの遅延等の事実について、確認をしました。

一部、会社に問題を認めさせることができましたが、まだまだ多くの点で疑問が残りました。次回以降は、そこを追求していきたいと思います。

 

1、今回の労災事件の責任は、出向元の日立製作所と出向先の日立プラントサービスのどちらにありますか?

出向先の日立プラントサービスはもちろん、出向元の日立製作所にも責任はある。出向先の状況については、懲戒事案が発生した時及び半年に1回の管理職へのヒアリングで把握していた。それで十分であったかは検討し回答する(組合は、日立製作所自体がもっと出向先の環境を把握すべきだったと考えています)。

 

2、長時間労働や労働時間の過少申告の指示(実労働時間の偽装)の事実関係および、原因と再発防止策については、どのように考えていますか?

労働時間の過少申告の指示については、上司が「考えてつけるように」と言ったことは認める(過少申告の強制性については明言をせず)。現在は、PCのログと自己申告時間の乖離があったケースについて調査し改善を図っている。全社的には労働時間は短縮傾向にあるが、その実態については、回答をしない(現在、長時間労働が改善されたと会社は主張していますが、本当でしょうか?)。

36協定の内容は、今は資料がないので分からず、開示もできない(労使協定は周知義務もあるものですが、回答をしてくれませんでした)。

 

3、パワーハラスメントの事実関係や、原因と再発防止策については、どのように考えていますか?

暴力1件(Aさん座る椅子を蹴る)、暴言数件(「いらない」、「めざわりだから帰れ」、「話しかけたくない」、「そんなんだったら仕事辞めてしまえ」等)があったことは認める。しかし、最終的な加害者の処分等は答えない(ここまでのことをやった加害者の処遇については全く答えてくれませんでした)。

 

4、Aさんが最初に労災申請の意思表示をしてから実際に申請に至ったのは1年3ヶ月後、また労災認定後の初回給付は認定から5ヶ月後など、会社からの手続きの遅延等の嫌がらせがありましたが、原因と再発防止策については、どのように考えていますか?

労災手続きが遅れたのは、Aさんの治療を優先したから(実際には、AさんやAさんの主治医への確認や承諾はありませんでした)。

 

同様の問題で悩んでいる方はいませんか?
Aさんの労働環境と同様の状況で悩んでいる方はいませんか?

少しでも働いていて「おかしいな」と感じるところがありましたら、ご相談ください。

ちょっとした疑問から無料労働相談をお受けしています。

 

 

 

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