2025年11月の労災ニュース:新たな死傷者数、主な書類送検事案
11月期に認定された死者数42人、死傷者数1万761人
12月24日、厚労省が11月集計分の労働災害発生状況を公表し、11月8日~12月8日(以下「11月期」)までの1ヶ月で、2025年1月以降11月末までの労災事故について、新たに死者数42人、死傷者数1万761人が明らかになりました。
累計で2025年の労災死者数は現在566人となっており、前年の同時期の631人より65人、10.3%減少しています。
一方で死傷者数は11万3193人と、前年同時期の11万397人より2796人、2.5%減少しています。
11月期の主な書類送検事案
◾️70代の労働者が墜落死
11月11日、宮崎労働局・宮崎労働基準監督署が、土木工事会社を書類送検しました。民家のフェンス設置工事の際に、70代の労働者が擁壁に穿孔機で穴をあけていたところ、穿孔機の刃が鉄筋に噛みこんでしまい、その反動でバランスを崩し、高2.6メートルから墜落死しました。墜落制止用器具を使用させるなどの墜落防止措置を講じなかったとして、労働安全衛生法第21条、労働安全衛生規則第519条に違反した疑いによります。
労働安全衛生規則第519条には、次のように定められています。
事業者は、高さが二メートル以上の作業床の端、開口部等で墜落により労働者に危険を及ぼすおそれのある箇所には、囲い、手すり、覆おおい等(以下この条において「囲い等」という。)を設けなければならない。
2 事業者は、前項の規定により、囲い等を設けることが著しく困難なとき又は作業の必要上臨時に囲い等を取りはずすときは、防網を張り、労働者に要求性能墜落制止用器具を使用させる等墜落による労働者の危険を防止するための措置を講じなければならない。
労働安全衛生規則第519条(作業床の設置等)
◾️20代の労働者が感電死
11月14日、愛知労働局・半田労働基準監督署が、電気設備工事会社を書類送検しました。工場にて、電気使用設備追加工事の受注にあたって事前確認のため、20代の労働者が分電盤を開いて、電流値を測定していたところ、分電盤内の活線に接触してしまい感電死しました。低圧の充電電路に近接する場所の電気工事において、充電電路に絶縁用防具を取り付ける、または労働者の身体に絶縁用保護具を着用させる感電防止措置を講じなかったとして、労働安全衛生法第20条、労働安全衛生規則第347条に違反した疑いによります。
労働安全衛生規則第347条には、次のように定められています。
事業者は、低圧の充電電路に近接する場所で電路又はその支持物の敷設、点検、修理、塗装等の電気工事の作業を行なう場合において、当該作業に従事する労働者が当該充電電路に接触することにより感電の危険が生ずるおそれのあるときは、当該充電電路に絶縁用防具を装着しなければならない。ただし、当該作業に従事する労働者に絶縁用保護具を着用させて作業を行なう場合において、当該絶縁用保護具を着用する身体の部分以外の部分が当該充電電路に接触するおそれのないときは、この限りでない。
2 事業者は、前項の場合において、絶縁用防具の装着又は取りはずしの作業を労働者に行なわせるときは、当該作業に従事する労働者に、絶縁用保護具を着用させ、又は活線作業用器具を使用させなければならない。
3 労働者は、前二項の作業において、絶縁用防具の装着、絶縁用保護具の着用又は活線作業用器具の使用を事業者から命じられたときは、これを装着し、着用し、又は使用しなければならない。
労働安全衛生規則第347条(低圧活線近接作業)

