2024年12月の労災ニュース:新たな死傷者数、主な書類送検事案

12月期に認定された死者数43人、死傷者数9619人

 1月29日、厚労省が12月集計分の労働災害発生状況を公表し、12月10日~1月7日(以下「12月期」)までの1ヶ月で、2024年1月以降12月末までの労災事故について、新たに死者数43人、死傷者数9619人が明らかになりました。

 累計で2024年の労災死者数は現在674人となっており、前年の同時期の677人より0.4%減少しています。

 一方で死傷者数は12万2812人と、前年同時期の12万2436人より376人、0.3%増加しています。

12月期の主な書類送検事案

◾️トラックにひかれて死亡

 12月11日、北海道労働局・釧路労働基準監督署が、建設会社と同社の社長を書類送検しました。高速道路の延伸工事現場で、法肩付近で芝張り作業中の労働者が、芝を積んでバックしてきたトラックにはねられて死亡しました。労働者の立ち入りを禁止するか、誘導員を配置して誘導させる貨物自動車の接触防止措置を講じなかったとして、労働安全衛生法第20条、労働安全衛生規則第151条の7に違反した疑いによります。

 労働安全衛生規則第151条の7には、次のように定められています。

 事業者は、車両系荷役運搬機械等を用いて作業を行うときは、運転中の車両系荷役運搬機械等又はその荷に接触することにより労働者に危険が生ずるおそれのある箇所に労働者を立ち入らせてはならない。ただし、誘導者を配置し、その者に当該車両系荷役運搬機械等を誘導させるときは、この限りでない。

2 前項の車両系荷役運搬機械等の運転者は、同項ただし書の誘導者が行う誘導に従わなければならない。

労働安全衛生規則第151条の7(接触の防止)

◾️70代アルバイト労働者が挟まれて死亡

 12月18日、滋賀労働局・東近江労働基準監督署が、コンベヤー製造会社と同社の営業係長を書類送検しました。機械設備の修理を受注したコンクリート製品製造工場において、70代のアルバイト労働者が作業中、コンベヤーが動き出して、機械とコンベヤーの間に挟まれて死亡。機械の修理作業を運転を停止せずに行わせたとして、労働安全衛生法第20条、労働安全衛生規則第107条に違反した疑いによります。

 労働安全衛生規則第107条には、次のように定められています。

 事業者は、機械(刃部を除く。)の掃除、給油、検査、修理又は調整の作業を行う場合において、労働者に危険を及ぼすおそれのあるときは、機械の運転を停止しなければならない。ただし、機械の運転中に作業を行わなければならない場合において、危険な箇所に覆いを設ける等の措置を講じたときは、この限りでない。

2 事業者は、前項の規定により機械の運転を停止したときは、当該機械の起動装置に錠を掛け、当該機械の起動装置に表示板を取り付ける等同項の作業に従事する労働者以外の者が当該機械を運転することを防止するための措置を講じなければならない。

労働安全衛生規則第107条(掃除等の場合の運転停止等)

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