仙台で技能実習生の労災への補償を会社に支払わせました

解決事例のご紹介です。

労災ユニオンと同じ総合サポートユニオンの支部に仙台けやきユニオンがあります。同ユニオンでは、宮城県石巻市の水産加工工場で労災事故に遭ったベトナム人技能実習に対する補償を会社に支払わせました。

詳細はこちらをお読みいただきたいのですが。概略は次の通りです。

ベトナム人技能実習生が受けた労災被害に対する適切な補償を獲得!未払い賃金などもすべて解決できました | 仙台けやきユニオン (sendai-keyaki-u.com)

ユニオンに加入したのは、20歳代から30歳代の技能実習生の3名です。3人は祖国に残した家族のために日本に来日しましたが、受け入れ先の企業の労働環境は劣悪でした。

 会社役員は大声で怒鳴るなどといったハラスメントは日常的にあり、残業代も未払いでした。賃金を会社は支払っていませんでした。そして、Aさんは、機械での作業中に人差し指を切断する重大な労災事故に遭ってしまったのです。

 事故の概要は次のようなものでした。Aさんは商品を袋詰する機械を操作していたところ、機械が詰まってしまったのです。Aさんが機械を止めずに手を入れて詰まりをとろうとしたところ、指が機械に巻き込まれ、人差し指を切断してしまったのです。Aさんが機械を止めずにつまりをとろうとしたのは、安全教育が行われていなかったからです。

 労働安全衛生法は使用者に安全教育を義務付けています。外国人に対する安全教育は母語で行わなければならないことになっています。ところがAさんのいる職場では、機械の操作に関する注意喚起を母国語では周知いませんでした。また、他の社員が安全に関する指導を行う際も日本語でのみで、来日したばかりで日本語に不慣れな技能実習生に対する配慮は全くありませんでした。

 労災の原因は、機械を止めなかった労働者ではなく、会社が危険防止の措置を講じなかった会社の責任です。実際に、労働基準監督署から会社に対し、労働安全衛生法20条違反等で是正勧告もだされています。会社は、Aさんに対し、労災は申請しその手続きは行いましたが、民事的な賠償を一部しか行っていませんでした。

そして、2022年2月、些細な「ミス」を理由に技能実習生の3人は退職を強要されました。そして結果的に、職場を追い出されてしまいました。これは不当解雇だと考えられます。

 これらのことについて、当事者であるAさんたちは、昨年2月24日に仙台けやきユニオンに加盟し交渉を申し入れました。数回の団体交渉を重ねた結果、以下の金員をしはらうことで和解にいたりました。

・働かせなかった日数についての賃金保障(それぞれ10万円程度)
・未払い賃金の支払い(それぞれ45万円程度)
・会社都合退職での退職‘
・パワハラについての慰謝料(それぞれ10万円程度)
・労災についての補償(Aさんに120万円程度)

労災事故の原因は労働者ではなく、会社にある場合がほとんどです。そしてこの事例のように使用者は労働者に労災保険給付の他に損害賠償をする義務があります。

労災事故に遭ってお困りの方はぜひ労災ユニオンにご相談ください。

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