長時間労働により適応障害を発症。未払残業代と損害賠償を得て、労災認定もされました。
【問題分類】労災申請(精神障害)、労災の損害賠償請求、未払残業代請求
【解決内容】精神障害の労災認定(療養補償給付、休業補償給付)、損害賠償と未払残業代を得た
経緯
建築関係の会社に勤務するAさん(20代女性)の職場は裁量労働制が導入されており、残業をしても残業代が支払われませんでした。社内では長時間労働が蔓延しており、Aさん自身もひと月で100時間を超える残業をするのは当たり前という状態でした。
Aさんは入社4年目に体調を崩し、精神科を受診したところ「適応障害」と診断され、休職することになりました。困ったAさんはユニオンに相談しました。
ユニオンはAさんのお話を詳しく聞き、「過労死ライン」を大きく超える過酷な労働をしていること、精神疾患について労災申請ができること、実際には裁量がないことなどから裁量労働制が無効の可能性が高いこと、労災の損害賠償および未払残業代が請求可能であることなどを説明しました。
Aさんはユニオンに加入して会社と交渉をすることにしました。
ユニオンの取り組みとその結果
会社側は当初、問題を認めようとしませんでしたが、ユニオンとAさんが労働基準監督署への通報やメディアへの情報発信等を行った結果、会社は全面的に問題を認め、未払残業代支払いと労災の損害賠償に応じること、労災申請に協力すること、社内の労働環境を改善することを約束しました。
その後、Aさんは労働基準監督署へ労災申請をしました。ユニオンは労災申請のための証拠整理や資料作成をサポートしました。
そして約半年後、無事に労災認定され、Aさんは療養補償給付と休業補償給付を受けられることになりました。
ポイント
・当初、会社は責任を認めませんでしたが、ユニオンの行動(労働組合による団体行動権の行使)によって、会社の対応を変えることができました。
・ユニオンから会社に労働時間記録等を開示請求して、労災申請や残業代請求の重要な証拠を押さえることができました。
・証拠資料とAさんの証言を整理したところ、Aさんは発症前のひと月で165時間の残業をしており、その前の月も130時間を超える残業をしていました。このような長時間労働は、精神障害の労災認定基準を大幅に超えています。
ユニオンより
長時間労働で体調を崩し、精神疾患を発症してしまう方は少なくないと思います。
ユニオンでは労災申請から会社との交渉まで、問題解決に向けた取り組みやサポートをしています。
お困りの方はまずはユニオンへご相談ください。