2021年2月の労災ニュース:新たな死傷者数、主な書類送検事案

2月期に認定された死者数84人、死傷者数1万3129人

 3月22日、厚労省が3月集計分の労働災害発生状況を公表し、2月9日〜3月8日(2月期)までの1ヶ月で、労災事故による死者数84人、死傷者数1万3129人が新たに明らかになりました。そのうち、2021年の労災事件については、死傷者8853人、うち死者53人となっています。また2020年の労災事件について、新規で4276人の死傷者、31人の死者が明らかになっています。

2月期の主な書類送検事案

・スレート屋根を踏み抜いて墜落する死亡事故
 2月10日、長崎労働局・江迎労働基準監督署が、建設会社と同社の現場責任者を労働安全衛生法違反で書類送検しました。幅30センチメートル以上の歩み板を設ける、防網を張るなど、スレート屋根を踏み抜かないための措置を講じていなかった疑いです。
 台風被害で割れた倉庫のスレート屋根の張り替え作業中、労働者が屋根を踏み抜いてしまい、約6メートルの高さから転落死しました。
 倉庫の屋根材として広く使用されているスレートは重量が軽く安価である反面、人の体重程度の重量がかかると割れるという非常にもろい性質を持っています。2020年の1年間で、スレート等の踏み抜きによる墜落災害に係る送検事例は、全国で 20 件に及んでいます。

・高所作業車から墜落する死亡事故 高所作業車の作業計画及び指揮者を定めなかった疑い
 2月25日、大阪労働局・西野田労働基準監督署が、管工事会社ほか1名を労働安全衛生法違反で書類送検しました。高所作業車を用いた作業中、作業計画と作業の指揮者を定めることが義務付けられていますが、行わなかった疑いです。
 労働者が工事現場において、高所作業車の作業床から墜落して死亡しました。

・コンベヤーとバケットに挟まれる死亡事故 作業前の日常点検をしなかった疑い
 3月5日、島根労働局・浜田労働基準監督署が、パルプ製造会社と同社の現場事務所長を労働安全衛生法違反で書類送検しました。コンベヤーを用いて作業を行うときに義務付けられている、その日の作業を開始する前の点検を行わなかった疑いです。
 製紙工場構内で、コンベヤーに詰まったウッドチップを除去するために、労働者が作業を行っていたところ、突然コンベヤーが動き出して、コンベヤーのローラーとバケットの間に挟まれて、死亡しました。

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